「ジーンス、へそ出しルックは勘弁してくれ、スカラ座を尊重すべきだ」読者からの抗議文届く「観客はもっと服装に気をつけるべきだ」スカラ座「規則は入場券に書かれています…」
スカラ座が修復され、スカラ座に来る人々も変わってしまったのでしょうか?最新モードのせいなのか、新人類と言われる輩のせいなのか、スカラ座には穴の開いたジーンス
(おそらくとても高価なものであろうが…)や、へそ出しルッ クで現れる人がいる。別に舞台の上でドンナ・エルヴィーラ(ドン・ジョバンニより)がスクーターで登場したり、
ロベルト・ボッレが褌姿で踊ってもかまわない。それは演出上の 問題で、そこへ見に来る観客とはまったく異なるものだ。
ジャコモ・レオパルドの時代から最新モードとは世界の変化によって常に新しくなっていくものであり、それは服だけに限らず、髭や髪型にまで及ぶ。ただ、
70年代初頭から90年代後半にかけて女性のファッションはめまぐるしく変化してきたが、男性フォーマルに関しては、今日までタキシードで特に変化はない。
しかし最近、スカラ座に薄っぺらなジャケットや、まるで「買い物籠」のようなバッグで来る人たちがいて、そのことに嫌悪感を持っている人もいるのだ。
会場内の雰囲気を壊すと言う理由からである。
スカラ座には一応「規定」と言うものが存在する。会場内にもそれが告知されているが、それに目を通す人は少ない。しかし今シーズンから入場券の裏面に
「会場内での心得」を英語とイタリア語で書かれているのだ。場内での行動と服装に関してである。もともと規定は「お客様への諸注意」としてパンフレットにも
書かれているので、特に新しいものではない。開演後に遅れて到着した場合は、指示があるまでロビーでお待ちいただくこと、入場券は終演まで必ず持っていること。
6歳以下の幼児の入場を禁止している。
傘、帽子(男性のみ)、大きなカバン、カメラ、ビデオカメラはクロークへ預けること。写真撮影、携帯電話での撮影の禁止。飲食はロビーのバールのみ、ボックス席への
持ち込み禁止(1800年代にはそこで食事していたのだが…)。場内には「静かに、品性を持って」と書かれている。
服装に関して、男性は「初日公演は黒目の服、全公演でジャケット、ネクタイ着用」女性は「全公演で劇場の品格にふさわしい服を」と書いてある。
では最近、入場券を買うことができるくらいの人に、いったい何が起こっているのか?「もっと会場の規定を注意させるべきであり、当然、周りが何もいわないのも問題である」と、
責任者は言う。「つまりモラル・スエージョン(道徳的説得)を前面に出せば、さすがに家に帰って着替えて来る気になるでしょう」と。しかしジーンズ問題以上に、会場内での
騒音も演奏に損害を与えている。飴の包みを開く音や咳払いから始まり、携帯電話、とくに演奏終了と同時に電源を入れるときの音。そもそも携帯電話は会場内に持ち込んでは
いけないのだ。「規定を読むことを義務付けたほうがいいでしょう。そして、該当するものはすべてクロークに預けていただきたい。クロークは無料なんですから…」、案内嬢は
何をするかと言うと「会場内での写真撮影禁止をチェックしています」と責任者。唯一、規定がないのは拍手とブーイングである。ここは昔からそうやっている。
「ブー!!」が意味するのは演奏者に対しての不満だ。「ただ口笛を吹くのはやめたほうがいいですね。その代わり拍手もしませんが」と天井桟敷の人は言う。
「でも無反応の平土間席の人よりマシでしょ?」
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